偽りの婚約者
第9章
「なんかあったら俺を頼れ。遠慮なんかすんなよ」
「うん、ありがとう賢人…」
・・・・
翌日
ピピピッピピピッ
ペシッ
「んー…、朝…か……ん?」
なんか寝息聞こえる…
反対側を見ると
「すーすー…」
「け、賢人⁉︎ 」
「……朝からうるさいなお前は…」
「そんなこと言われても…! なんで、一緒に寝てたの⁉︎」
「いや、人肌が恋しいかと思って」
「別に恋しくないから!」
「…ほら、早くしないと今日からは学校行くんだからな、いつもみたいにぼーっとしてたら遅刻するぞ」
「あ、学校か…」
なんか2日行ってないだけなのに久々な気がする…
「そうそう、くれぐれも学校で『婚約者』になったこと言うなよ。友達にもな」
「え…言っちゃダメなの?」
「言わないほうがいいだろ」
「んー、友達に何あったか教えてよって言われちゃって…なんて答えたら…」
「あー、もしかしてこの間お前といたあの子か?」
「うん…なんてごまかそう」
「…話聞いてみたけど私には無理な話だったから断った。で、昨日休んだのは体調がすぐれなかった…とでも言っておけばいいんじゃないか?」
「…じゃあそうしようかな…あ、指輪どうしよう。家に置いておけばいい?」
「あぁ、…早くしないと本当に遅刻するぞ?(笑)」
時計は7時20分
学校まで歩いて30分はかかる
「やっば!…そういう賢人は大丈夫なの?」
「大丈夫…余裕。車で送ってやりたいけど…な、お前が急に若い男と車に乗ってきた…ってなるとあとあとめんどくさくなりそうだからな」
それもそう…かも、由佳に質問攻めにあいそうだし…