王子なカノジョ。
お弁当を食べ終え片付けていると
バンッ…!!勢いよく扉が開いた。

音がした方を見て言葉を失う私…
そこには柄の悪い男2人の姿があった

入ってくるなり一瞬驚いた様子で
それからニッと笑みをこぼす


ガアァァンッ──…!!!!

鈍い音が音楽室に響く

「っ…」

何が起こったの?

気がついたら、柄の悪い男に
胸ぐらを掴まれ私は壁に強く身体を打ちつけていた

それに気がついたのは、ズキンズキンと背後に痛みを感じた後だった。

何?この男達──…

右手にタバコを持っている
人気の少ないこの場所でふかしにきたのか。

でも、なんで接点のない私に掴みかかってるの?

「あの…」私が口を開いた瞬間──…
男の声がそれを遮った。

「ハッ!てめぇが噂の王子様かよ?調子に乗りやがって。
その綺麗な顔メチャクチャにしてやろうか?あ?」

男は勢いよく手を振りかざした──…!!

「きゃっ…」

………。

…。

来るだろうと身構えていた感覚が来ない。

「女みてぇな声出してんじゃねぇよ!」

男は掴んでいた私の胸ぐらに更に力を込め、グッと引っ張り、床に打ちつけられた

「痛っ…」

さっきの衝撃のせいか、ブラウスのボタンがいくつか弾け、ピンク色のブラジャーのレースがあらわになった

「…まじかよ。」

もう1人の男が口を開く

「その顔で良い思いしてきた事に変わりはねーんだろ?俺らなんて彼女もいねぇのに…ムカつく。丁度良いしヤっちゃおうよ。」

ニヤニヤと、男達が覆い被さってくる

いやっ…やめて

嫌!嫌!嫌!



怖い。

怖い怖い怖い…!

逃げなきゃ。
でも膝が笑って立ち上がる事が出来ない

涙が込み上げてくる

もうダメだ─…
王子なんて呼ばれてるのに
かっこ悪い。学園生活もこれでおわりだ──…



そう諦めかけた時だった──…



「…なに、やってんの?」



低く穏やかな…でもハッキリとした
声が音楽室に響く──…





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