今日から私は彼の同居人
「本当に気の毒だったね。家全焼したんだって?」
純兄ちゃんは私の両手に抱える荷物をひょいと持ち上げ私を中に上がるよう促した。
私は、玄関の目の前にある階段を上っていく彼の後ろをついていった。
「うん。電気ヒーターに洗濯物が落ちて出火したみたい。幸いお母さんも栞も無事だったけど。でもみんなの思い出の家だったの。お父さんが残してくれた…」
私の父は、私が中学3年生のときに癌で亡くなった。
父を失った悲しみは、時が経つにつれて癒えていったが、父と過ごしたあの家を失ったかと思うと数々の思い出が脳裏を巡り胸が締め付けられるような気持ちになる。
父が趣味の日用大工で作った木製の椅子やテーブル、父が毎日職場に持っていっていた弁当箱、子どもの頃父と栞と3人で作った3000ピースのジグソーパズル…。
それらも全部燃えてしまった。
純兄ちゃんは私の両手に抱える荷物をひょいと持ち上げ私を中に上がるよう促した。
私は、玄関の目の前にある階段を上っていく彼の後ろをついていった。
「うん。電気ヒーターに洗濯物が落ちて出火したみたい。幸いお母さんも栞も無事だったけど。でもみんなの思い出の家だったの。お父さんが残してくれた…」
私の父は、私が中学3年生のときに癌で亡くなった。
父を失った悲しみは、時が経つにつれて癒えていったが、父と過ごしたあの家を失ったかと思うと数々の思い出が脳裏を巡り胸が締め付けられるような気持ちになる。
父が趣味の日用大工で作った木製の椅子やテーブル、父が毎日職場に持っていっていた弁当箱、子どもの頃父と栞と3人で作った3000ピースのジグソーパズル…。
それらも全部燃えてしまった。