今日から私は彼の同居人
「そういえば純兄ちゃんはどこで働いてるんだっけ?」


「え?ふふふ、ヒミツ」


彼は怪しげに微笑み、唇に人差し指を当てた。


「さて、そろそろお腹も空いてきたし、夕ご飯の支度しますかね。薫は荷物整理でもしてて。できたら呼ぶから」


「はーい」


なんだか妙な心持ちだ。


あの純兄ちゃんと2人で暮らすことになるとは。


純兄ちゃんのもともとの実家は、私の家から歩いて15分もかからないくらいのところにあったのでよく遊びに行ったものだった。


一番よく覚えているのは、私が小学3年生で彼が高校2年生の時の夏休みだ。


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