今日から私は彼の同居人
虫取りに行こうと彼と妹の栞と私で近くの山に行ったのだが、私はカブトムシを追いかけていたら夢中になりすぎて2人とはぐれてしまったのだ。


2人の名前を呼んでも返事がない。


何時間も歩いたような気がする。


日が暮れる頃には足はくたくた、のどはカラカラになって木の根元に腰を下ろした。


真っ暗になっても誰も来ないかもしれない、熊に襲われるかもしれない、そしたら私は死んじゃうのかな…?


私は激しい不安に襲われ涙目になっていた。


そこに遠くから彼が私の名前を呼ぶ声が聞こえた。


私は我を忘れて声のする方に駆けていった。


『純兄ちゃーん!』


私は彼の名前を叫びながら彼の胸に飛び込んだ。


彼は一度ぎゅっと私を抱きしめ、すぐに私の肩をつかんで身体を離した。



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