青いバラ
目が覚めた。
目の前には愛しい人の顔。
そっと触れれば、冷え性の彼は夏でも冷たい。
布団の中から彼の冷たい手を探し出して、自分の額にあてる。
冷たくて気持ちいい。
「あれ?静菜起きたの?」
彼の声で、ぼうっとしていた頭が覚醒した。
「あぁ、ハル。おはよ。ガッコは?」
「休んだ。静菜いないとつまんないし。」
そう言って、そっと額に唇を寄せる彼は涼しげな顔をしている。
彼の顔が、逆光であまり良く見えない。
まだ、お昼頃であること以外に今知り得る情報は、ない。
どちらとも何も言わないまま、時計の針だけが時を刻んだ。