うさぎ君の恋わずらい

「………」


無言でゲーム機を取り返し
じろっと睨みつける
その生徒の後ろには数人の不良に囲まれた
新入生が見えた

とっさに
取りかえされたゲームを
不良の手から奪い取り
数歩下がると
不良はもの凄い顔で睨みつけ叫んだ


「てめぇ!!今どんな状況かわかってんだろ!?
てめぇもやられてーのか!?ぁあ!?」


「てか、そいつかなり調子こいてる格好してねぇ?ちょっとしめてやろーぜ!」



新入生を囲んでいた不良達が
ぞろぞろと歩み寄ってくる



「おまえたち、これがいくらするのか解っているのか?」


ぽつりとこぼした言葉に
不良達は一瞬動きを止めた


「は、はぁ?」



「つい数日前に発売したばかりのものだ。
しかも、限定カラー。これを買うのに彼は何時間前から並んだことか……」



「なに、ブツブツ言ってんだ!キモい!!
さっさとよこせ!!」



殴りかかった不良をするりとよけて
足をかけると盛大に転ぶ。
それを見た他の不良がもの凄い勢いで
殴りかかって来た


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