SHE IS MINE(2014年七夕短編)
7月5日[第一の秘密]
7月5日、放課後。
わたしは家路をいつものようにたどっていた。
…はずなんだけど。
まさかの美青年に対峙してしまいました。
「こんにちは」
爽やかな笑顔を向けてきた美青年。
「こ、こんにちはっ」
「警戒してる?」
「まあ、一応…」
警戒しない方がおかしいでしょ。
浮世離れしたきれいな顔立ちをした男が、わたしの名前を知っているんだから。
「警戒は要らないさ。別に僕は女子高生をとって食ったりしないから」
その顔でそう言われも、あまりに現実感がなさすぎて、嘘か本当かもわからないよ。
「織賀ちゃん。このあとはなにするの?」
「なにって、普通にバイトですけど…」
やっぱりこれは新手のナンパなんじゃ…。