SHE IS MINE(2014年七夕短編)
「なになに…?」
紙切れを見ると、
《おりがちゃんへ
これあげるね。
食べてね。
星司より》
と書かれていた。
汚い…ゲフンゲフン、子どもらしい文字で。
てか、短っ!
“食べてね”って意味わからない!
…思い出した。
小さい頃、近所にいたお兄ちゃんを“星司お兄ちゃん”と呼んでいたことを。
確かわたしが幼稚園にいたときに遠くに引っ越したんだっけ。
その星司お兄ちゃんがあの美青年なの?
いやいやいやいや。
美青年になる素材があったらうちのミーハーな母親が黙ってないよ。
即ジャニーズに履歴書出させてるよ。
…で。
このビニールは一体なに?
もう一度手紙に目を通す。
《食べてね》
このビニールに何か食べ物が包まれていたってことかな。