SHE IS MINE(2014年七夕短編)
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放課後、R大前。
今日はバイトがなくてよかった。
おかげでゆっくりはりこめる。
…でも。
制服じゃ大学に入りにくいし、星司お兄ちゃんは何時まで講義を受けているかわからないし、星司お兄ちゃん以外の学生もたくさんいる。
ここにいても会える可能性はゼロに近い…。
「まさかの無駄足?」
わざわざ1時間かけてここまで来たのに?
そんなの嫌!
頼む! 星司お兄ちゃん出てきて!
「…織賀ちゃん?」
「はへ…」
顔をあげると少し息を切らした星司お兄ちゃんがいた。
顔を歪めているけど、きれいな顔ってことにかわらりはない。
「どうしてここに?」
「それ、こっちのセリフだから。僕はここの学生なんだからここにいるのは当たり前だろ?」