SHE IS MINE(2014年七夕短編)


7月4日、午後2時。


「オネーサン、ひとりなんでしょ?」


「暇なら俺らと遊ぼうよ」


汚い茶色に染められた髪の男と、両耳にところ狭しとピアスをつける男にナンパされてしまいました。


生まれて初めてのナンパが、まさか今日だなんて。


今日はバイトが休みで完全にオフ。

久しぶりにメイクにもおしゃれにも気をつかってひとりで街をふらふらしてたらこんなことに…。


わたしは意味もなく気合いを入れた自分を恨みたくなった。


「か、彼氏と待ち合わせしてるんで、やめてくださいっ!」


彼氏なんて、いないけどね。へっ。


「へぇ。じゃあその彼氏と俺らで遊ぼうよぉ」


ピアス男がズイッとこっちに一歩迫って言った。


う、うわ。

無理っ! こーゆーの!
タバコくさいし、香水のにおいも最悪だし無理!


こんなときに彼氏が「コレ、俺のだから」って助けてくれたらいいのに…。


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