SHE IS MINE(2014年七夕短編)
ニヤニヤでれでれしてるけど、それでもかっこいい。
どんな表情も板につくんだよな、この美青年は。
「離ればなれの間もずっとその人のことを…?」
「うん。最後に会ったとき“迎えに行く”って約束したんだ。ようやくその心の準備ができたかな」
「嬉しそうですね」
「ん?」
「何でもないですっ。幸せになってくださいね、その女性と」
「うん、ありがとう」
まぶしいくて目眩がしそうなくらいの笑顔で星司お兄ちゃんが答えた。
いいね。素敵だね。大人の恋。
「ハッ」
そうだよ。
星司お兄ちゃんの好きな人のことを聞いている場合じゃなかった!
本題を忘れるところだった!
「コレだってば。コレコレ!」
わたしはずっと星司お兄ちゃんの手の中にあった封筒をひったくった。