SHE IS MINE(2014年七夕短編)
「織賀ちゃん…!」
部屋に誰かの声が響いたかと思うと、次の瞬間体がぬくもりに包まれていた。
「倒れたんだよ、織賀ちゃん」
「うわあっ!?」
せ、星司お兄ちゃん!?
ぼんやりとした夢の中で、昔星司お兄ちゃんが残した言葉を思い出してしまったこともあって、やけに意識してしまう。
「え…。ちょっと織賀ちゃん?」
わたしは無言で星司お兄ちゃんの肩を押して、距離をとった。
「ごめんなさい。ちょっと混乱してて」
「もしかして…」
星司お兄ちゃんはわたしの気持ちを察したらしい。
「でも、思い出したのはあのビニールのことじゃなくて…」
「じゃなくて?」
「ぼ、僕が織賀ちゃんのこと…迎えにって……。ひゃっ!」