SHE IS MINE(2014年七夕短編)
7月7日[第三の秘密]
7月7日、誕生日当日の放課後。
「今日の織賀、いい香りがする」
純一が高校1年生のわりには幼く見える笑顔で言った。
「お姉ちゃんからもらった香水つけてみたの」
朝、お姉ちゃんが仕事に行く前にもらったものだ。
プレゼント選びのセンスがないお姉ちゃんにしては、いい選択だと思う。
香りも好きだし。
そして今日は『誕生日に一緒にプレゼントを選ぶ』と約束をしていた純一と、学校から少し離れたショッピングモールに来ているの。
考えておいてと言われたものの、わたしは他のことで頭がいっぱいでそんなの考える余裕はなかった。
隣の純一は、当たり前だけどそんなことは知らずにニコニコルンルンしてるし。
あー、楽しそうだなあー。