SHE IS MINE(2014年七夕短編)
だっ!
だって、スプーンは一本だけしかないし!
あらぬ想像しかできないんだけど!
具体的な内容を言うのはここでは一応自主規制するけども!
純一よ、どーすんの!?
「溶けっぞ」
純一はそれだけ言うとわたしのスプーンを持った方の手をつかみ、それを自分の口に運んだ。
抹茶味のアイスが自分の口の中に吸い込まれていく。
「甘っ」
こここここ、これって、かっ、間接キッス!?
あの噂の!?
何やっちゃってんの、純一!
人生初の間接キスをいとも簡単に…。
別に、嫌とかじゃないんだけどね。
急に純一が男の子に見えて恥ずかしい。
「織賀、早く食わないと溶けるよ?」
「はっ、はい!」
純一は、恥ずかしくないのかなあ。