SHE IS MINE(2014年七夕短編)
わたしがお世辞でかわいいって言ってたらどうすんのさ。
女の子にはよくあることじゃない? とりあえず「かわいい」って言えばいいみたいなやつ。
女の子がかわいいって言っているからって必ずそれが気に入ったモノってわけじゃないのよ。
…まあ、今回は正解だったけれど。
わたしたちはお店を出て、ショッピングモール内にあるベンチに腰かけた。
「はい、改めまして誕生日おめでとう」
笑顔を浮かべる純一からかわいらしいショップの袋に入ったヘアピンを渡された。
「ありがとう。開けてもいい?」
「どうぞどうぞ」
「見て見てっ、似合う~?」
わたしは早速袋からヘアピンを出して、髪にあてがってみた。
早く学校に着けて行って、友達に自慢したいなと思った。
「ちょっと貸して」
「え、ちょ…」
せっかくもらったヘアピンなのにひったくられていつの間にか純一の手の中に…。
もしかして、純一が付けるの?
どんな趣味よ。