SHE IS MINE(2014年七夕短編)


「俺が付けたげるよ」


純一はヘアピンを持っていない方の手でわたしの頭を撫でた。


「っ…!!」


わたしの右耳に髪を掛けると片方の手で後頭部を固定しヘアピンをつける。


顔が、近い…。


「好きなんだけど」


「へ」


右の頬に触れたまま純一がいきなりそんなことを言うからマヌケな声を出してしまった。


好きって、何が?


ハッ、そうか! オッケーオッケー、こーのヘアピンが好きってことね。


「好きなんだ織賀のことが。俺と…付き合わない?」


「………」


突然の生まれて初めての告白にびっくりしたけど、ふと頭の中をよぎったのはなぜかあの美青年の顔だった。


…やだな。もう忘れるって決めたのに。


なんであいつの顔が出て来るのさ。


「…織賀?」


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