SHE IS MINE(2014年七夕短編)
純一は優しいし気がつかえるしいいヤツ。
さっきのアイスのこととか今の告白で「やっぱ男の子なんだな」って思ったけど、今までは全然それを意識していなかったわけで。
純一を好きになる要素はたくさんあるかもしれないけど、だからこそ中途半端な気持ちで付き合ったりできないよ…。
「純一、あのさっ」
「これ、俺のなんだけど」
そんな声とともにわたしは肩を抱き寄せられた。
恐る恐る声の方へ顔を向けると…
「せ、星司おにーちゃ…」
慌ててこっちに来たのか、彼の額には汗が光っていた。
「織賀の兄貴か?」
「えと、ちょっとした知り合い、かな」
困惑する純一にそう返した。
だって、そうとしか言えないし。
「…というわけで、この子は僕のだから返してもらうね」