SHE IS MINE(2014年七夕短編)


「織賀ちゃんが思い出さないよーな気がしたから来たんだよ」


「だからって今じゃなくても…」


タイミングっていうものがあるでしょ。純一と一緒にいたわけだし。


あきれてそう言うと星司お兄ちゃんは「何、そんなにあの男といたかったの?」と言った。


へ…。

別にそんなんじゃないけどさ。話してる途中だったし、一応告白されてたんだよね、わたし。


「…星司お兄ちゃん怒ってる?」


わたしがそう言うと、星司お兄ちゃんは歩くのをやめてこっちに振り返った。


「怒っちゃ悪い?」


ハハ…。

笑顔が怖いよ、星司お兄ちゃん。

笑ってる顔はきれいだけど怖いよ星司お兄ちゃん。


「まあ、いいや。着いたから入って」


入ってって…、やっぱりヤクザのアジト!? そしてこれから乱暴!?


わたしのカラダなんか、少しも価値ないよ!?


やだっ! お助けをーっ!


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