SHE IS MINE(2014年七夕短編)
「あの、えっと…、星司おにーちゃ……。ご、ごめんなさい」
「あー…それは良いんだけど、見たよね? 中身」
「うん」
わたしは静かにうなずいた。
袋の中から現れたのはたくさんのキャンディ。
しかも市販のものではなさそう。
透明なフィルムに包まれたどうやら手作りらしいキャンディだった。
「星司お兄ちゃん。これって…?」
「僕の秘密だよ」
「秘密?」
「そう。、秘密」
キャンディが、秘密?
「俺がこのキャンディをなめると、織賀ちゃんが考えていることがわかるんだ」
「…は?」
いやいやいやいや。
なにこのあり得ない話は。
飴をなめただけでわたしの気持ちがわかるってなにさ。
わたしのことなめてる? 飴だけに。