SHE IS MINE(2014年七夕短編)
一歩間違えたら、いやもう間違えてるかもしれないけど、というかだいぶ踏み外してると思うけど犯罪だよねこれ。
あ、でもわたしの気持ちが読まれているって証明できなかったりする?
あああ、だめよ、だめだよ。
目の前にいる星司お兄ちゃんは一応知り合いなわけで。
こんなことを考えるのはやめよう。
「織賀ちゃんが昨日見せてくれた封筒あるでしょ? それ、僕が12年前に地元を離れるときに織賀ちゃんに渡したやつなんだ」
「へえ…」
12年前…か。
わたしが4歳で星司お兄ちゃんは8歳。
さすがにわたしは全く覚えていないや。
「その封筒と一緒にこれとは違うけど、僕が作ったキャンディを入れたんだよ。つまり、織賀ちゃんが思い出せなかった包み紙の正体はキャンディの包み紙ってこと」
「な、なるほど」