SHE IS MINE(2014年七夕短編)


でも、初対面で『美人』だなんて言うか? 普通。


ま、まさかこの美青年も…!


「僕はナンパなんてしないから。あんな野蛮なコト」


な、ななな…。

『まさかこの美青年もナンパ!?』という考えが思い浮びそうになったところで、美青年の声にそれを遮られてしまった。


何者なの? この美青年…。


「あ、あのっ。よかったらお礼させてください!」


“野蛮な”発想をしてしまったことに恥ずかしくなり、気づけばこんなことを言っていた。


バイト代が入ったばかりで今日はいつもよりお金を持っているから少しならご飯をごちそうできるかもしれない。


「いいよ、そんなの。高校生に何かおごられるような趣味してないし」


「えっ、でも…」


お礼を口実に美青年を誘い出そうとしているなんて、こっちの方が野蛮だっただろうか。


こっちの考えはすべて向こうに漏れているのね。


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