∞幸福フィロソフィー∞


「あたし、あなたが嫌いです。」


立ち上がって玄関で振り返ったクミカがふっと笑う。


「うん。
あたしも。」



どちらともなく
笑い合った目は自然に逸れ
またしてもかわいらしい
ぽてっと丸いトゥシューズに細い足を収めたクミカは去っていった。


かわいらしいを身に纏い
其れは彼女の鎧で

彼女はかわいらしい鎧から
鋭い目で前を向く。



「あのフナムシめ」
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