fine true happiness
オレが 一生懸命 思案して考えてるのに
会社のヤツが 彩にシンガポールの話をしたらしい。
仕事から帰ると
電気も付けないで
真っ暗い部屋の中で
体を丸めて 彩は座ってた。
「シンガポールってなに?
どうしてあたしに一言もないの?」
言い寄って来た。
オレは 思いっきり
嫌われて オレのことなんて
恨んで 忘れて貰いたかった。
だから 『浮気した』『二股かけた』
『彩より向こうを選んだ』
と 嘘に嘘を並べた。
それは 彩を傷つけた。
泣き叫ぶ彩を ホントは
抱き締めて『嘘だよ』
って 言いたかった
言いそうになった。
だけど それをしたら
彩は…夢を捨ててしまう。
オレだって 泣き叫びたかったよ…。