Sweet Rain
彼女の実家へと向かっていることがわかった今、僕はすべきことは彼女を実家まで無事に送り届けること、それだけだった。

後のことは何も知らないし、何もしない、何も見ない。

その条件のもと、僕はこうやって車を走らせている。

彼女は最初に車に乗り込んだ時のように窓越しに外の景色を眺めていた。

雨の勢いはさっきからずっと変わることはなかった。

しかし彼女は一心不乱に窓越しの景色を眺めている。

雨粒のせいでまともに外の風景を見ることもできないのに。
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