新撰組 『時が変わろうとも』

沖田さんには聞こえないように呟いた

思わず振り返る

「どうしたの?」

「いえ、何でもありません」

確かに後から入った俺を、嫌いな人もいる

けど、今回みたいに文句を言われたりしたのは初めてだ

「誠君!お団子はどのくらいあるんですか?」

「沖田さんが満足するくらいありますよ?」

そんな話をしながら俺の部屋へ向かう

この時、さっき横を通りすぎた平隊士が振り返り睨み付けていたのに、気づかなかった








「誠君!もうお団子ないですよ!?」

「あなたはどれだけ食べれば気がすむんですか…」

ありえない。

あれだけあったお団子が一気に無くなった
俺も食べたとは言え、たかが三本

「そうだ!今から甘味屋に行きましょう!」

「え…今からですか?てか、まだ食べるんですか?」

「はい!ほら誠君も行きますよ!」

「いや、俺はちょっと…」

俺の言葉も聞かずに腕を引っ張り上げる

勘弁してほし。この人と甘味屋に行くと帰る時間が遅くなる。そもそも甘味屋に迷惑だ

「沖田さん、今日は甘味屋に行くのはやめましょ?今度行きましょ!今度!」

「だめです!今食べたいんです!」

なら一人で行け

心の中で呟いた

ドタドタと廊下を走る。

「沖田さん、静かに走らないとおに…「誰だー!廊下を走ってる奴は!!」時すでに遅し」

「総司!てめぇどこ行く気だ!」

沖田さん、ここは素直に答えたらいけませんよ?

「甘味屋に決まってるじゃないですか!」

馬鹿正直だ。この人絶対嘘つけないタイプだ

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