新撰組 『時が変わろうとも』
「一本勝負だ。いいな?」
何かやることになってるし
「分かりました」
「いつでもいいぞ」
斎藤さんは左利きだ。だから
「!?お前」
「どうしたんです?斎藤さんも左利きの構えでしょ?」
そう、私は斎藤さんと同じ左利きの構えをしているのだ
「言ってませんでしたっけ?私両利きなんですよ」
昔父に斎藤一が憧れだと話したら、左利きの構えを教えてくれた。
「こっちの方が私もやりやすいですから。
それじゃ、気をとりなおして、行きます!」
ダンッと踏み込む。斎藤さんに向かっておもいっきり、降り下ろした。
カンッ
さすが斎藤さん。受け止めた。
斎藤さんに跳ね返され、今度は斎藤さんが攻めてきた。それを私も受け止める。
そんな事を何度も繰り返した。
しかし、やはり男と女の違い。私の体力がもたなくなってきた。手に力が入らない。
ダンッ パンっ!
竹刀がカタカタと私の後ろに転がった
「さすが斎藤さん。お強いですね」
「お前もなかなかだったぞ」