新撰組 『時が変わろうとも』

「一本勝負だ。いいな?」

何かやることになってるし

「分かりました」

「いつでもいいぞ」

斎藤さんは左利きだ。だから

「!?お前」

「どうしたんです?斎藤さんも左利きの構えでしょ?」

そう、私は斎藤さんと同じ左利きの構えをしているのだ

「言ってませんでしたっけ?私両利きなんですよ」

昔父に斎藤一が憧れだと話したら、左利きの構えを教えてくれた。

「こっちの方が私もやりやすいですから。
それじゃ、気をとりなおして、行きます!」

ダンッと踏み込む。斎藤さんに向かっておもいっきり、降り下ろした。

カンッ

さすが斎藤さん。受け止めた。
斎藤さんに跳ね返され、今度は斎藤さんが攻めてきた。それを私も受け止める。

そんな事を何度も繰り返した。
しかし、やはり男と女の違い。私の体力がもたなくなってきた。手に力が入らない。

ダンッ パンっ!

竹刀がカタカタと私の後ろに転がった

「さすが斎藤さん。お強いですね」

「お前もなかなかだったぞ」
< 26 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop