新撰組 『時が変わろうとも』
よく耳を澄ましてみると
「あ…か…よかっ…」
嫌だ、これ以上この声と言葉を聞いたらいけない気がする
そんな私の願いも虚しくどんどん近づいてくる
「嫌だ、来ないで!聞きたくない!聞きたくない!」
どれだけ私が叫んでもその声は聞こえる
近づくにつれ、顔も見えてきた
「来ないで…お母さん…」
はっきり見えた。私に近づいて来ているのはお母さんだった
「あなたなんか…あなたなんか…」
「嫌だ、嫌だ!嫌だ!嫌だ!聞きたくない!聞きたくないの!」
「あなたなんか、生まなければよかった
あなたは幸せになったらいけないの」
「いやーーー!!!」
「おぃ… しろ!おい!しっかりしろ!」
ハッと目が覚める。
目の前にはなぜか斎藤さんがいる
「ハァハァ、斎藤さん何で?」
さっきの夢のせいか息が荒くなる
「お前に用事があってな、探していたんだ
そしたらお前が魘されてたから」
「そうですか。すみません、余計な手間取らせてしまって」