新撰組 『時が変わろうとも』
そう言うと斎藤さんはおにぎりを受け取った
二人で縁側でおにぎりを食べる
何か不思議、ほんとうなら私はここにはいないはずなのに
「どうした?」
「いえ、ここにいるのがこの時代にいるのが不思議だなって」
「そうか」
しばらくして斎藤さんは仕事に行った
「何しよ?もう一度土方さんの所に行こうかな?」
「土方さん、神埼です」
「おう、入れ」
障子を開けて土方さんの近くに行く
「土方さん」
「何だ?」
「暇です」
「俺は暇じゃねぇ」
「俺が暇なんです。仕事ください」
「だから!今はねぇって言ってんだろ!道場に行って稽古でもしてろ!」
このやろう、少しは仕事くれてもいいじゃないか!
私は立ち上がって障子の近くに行く。体を障子の外に出て中に向き直る。そして
「分かりましたよ!豊玉さん?」
スパーンと勢いよく締める
そして走る。遠くの方から
「神埼!てめぇ覚えてろー!!」
と聞こえた