新撰組 『時が変わろうとも』

「なぜその刀を選んだ?」

不意にそんな事を聞かれた

「なぜでしょうね?俺にもよく分かりません。ただ…」

カチャ スー

少しだけ紅色の刀

「ものすごく惹かれたんです。この刀は俺を待ってたような感じがしたんです」

刀を戻す。戻しても外見は全体的に赤ぽい色をしている。

「お前らしい答えだな」

横を見ると、まっすぐ前を向いたまま誰にも気づかれないように微笑んでいる斎藤さんがいた

さ、斎藤さんが笑った!あの無表情の斎藤さんが!すごい!レアだよ!なんか得をした気分だ!

一人でテンションが上がっていると

「おーい!一くん!誠くん!」

手を振ってこちらに走り寄ってくる沖田さんがいた

何か、あれだね、

「犬みたいだな」

「はい…」

そう、犬に見えるのだ。飼い主を見つけて喜んで近寄ってくる感じにすごく似てる

まさか斎藤さんも犬に似てると思ってたとは

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