新撰組 『時が変わろうとも』
「逃げるんですか?」
「ぐっ…」
「そうですか、残念です。まさか誠君が逃げるなんて」
「逃げてません。いいでしょう。相手しますよ」
「そうこなくては」
道場にて
「なぁ、何か今日の神埼さん背後が黒くねぇか?」
「ああ、何か殺気も出てる」
そう、今誠は不機嫌なのだ。沖田に逃げるのかと言われ、腹を立てているのだ。
それに比べ沖田は満足げな顔だ。
「一本勝負でいいよね?」
「はい」
「じゃあ、高田君審判してくれる?」
「は、はい!」
突然沖田に審判を頼まれで驚いたのか、声が裏返っていた
「そ、それでは、始め!」
誠は合図が終わると深く深呼吸した。
そして大きく吸った息をはいて目を開けた誠に、沖田も回りの平隊士も息を飲んだ