新撰組 『時が変わろうとも』

いよいよこの日がきた

「誠君、緊張してる?」

「してませんよ」

「ほんと?」

「ほんとです」

そう、今までの俺は嘘のように全く緊張していないのだ

「これから、池田屋、四国屋に突撃する。池田屋には俺、総司、永倉、藤堂、神埼の組に行ってもらう。四国屋は歳、斎藤、原田、源さんの組に行ってもらう」

あれ?

「近藤さん、俺は斎藤さんの組ですけど」

「神埼君にはこちらに来てもらう。池田屋の方は人数が少ないから力のあるやつらを連れていく。けど、斎藤君の組まで連れていくと四国屋が手薄になってしまう。だから誠君には申し訳ないがこちらについて来てもらう。いいかい?」

「分かりました。お力になれるよう頑張ります」

「ありがと。頼もしいよ」

「それでは、今から出発する!」

「「「おおぉぉぉぉぉ!!」」」

今から俺は人を斬るんだ

「神埼」

「何ですか?斎藤さん」

「無理はするな」

「大丈夫ですよ。ただ…」

「ただ?」

「ただ、もし俺が暴走しはじめたら何をしてでも止めてください。斬ってでも…」

「っ…!神埼っ」

「誠君行きますよ!」

「はい!では、斎藤さんまたあとで会いましょう」

誠は斎藤の返事を聞かずに、行ってしまった

「何をしてでも止めろか…」

< 76 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop