新撰組 『時が変わろうとも』
いよいよこの日がきた
「誠君、緊張してる?」
「してませんよ」
「ほんと?」
「ほんとです」
そう、今までの俺は嘘のように全く緊張していないのだ
「これから、池田屋、四国屋に突撃する。池田屋には俺、総司、永倉、藤堂、神埼の組に行ってもらう。四国屋は歳、斎藤、原田、源さんの組に行ってもらう」
あれ?
「近藤さん、俺は斎藤さんの組ですけど」
「神埼君にはこちらに来てもらう。池田屋の方は人数が少ないから力のあるやつらを連れていく。けど、斎藤君の組まで連れていくと四国屋が手薄になってしまう。だから誠君には申し訳ないがこちらについて来てもらう。いいかい?」
「分かりました。お力になれるよう頑張ります」
「ありがと。頼もしいよ」
「それでは、今から出発する!」
「「「おおぉぉぉぉぉ!!」」」
今から俺は人を斬るんだ
「神埼」
「何ですか?斎藤さん」
「無理はするな」
「大丈夫ですよ。ただ…」
「ただ?」
「ただ、もし俺が暴走しはじめたら何をしてでも止めてください。斬ってでも…」
「っ…!神埼っ」
「誠君行きますよ!」
「はい!では、斎藤さんまたあとで会いましょう」
誠は斎藤の返事を聞かずに、行ってしまった
「何をしてでも止めろか…」