新撰組 『時が変わろうとも』
「ん…」
目を開けると見慣れた天井
「気がついたか?」
「斎藤さん、俺」
「池田屋で倒れたんだ」
「池田屋…」
っ…、思い出した、俺は池田屋で、人を…人を…
「嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!」
人を斬った感触がまだ手に残っている。もう手についてないはずの血が、ついているように見える
「血が…血が血が!」
必死に手を擦る。赤くなるくらい手を擦る
「取れない。取れない取れない取れない!」
「神崎!」
ギュッと斎藤さんに手を握られた。
「大丈夫だ。大丈夫。だから今は思う存分泣け」
ギューと抱きしめられる。斎藤さんの手の温もり。斎藤さんの体温
それに安心して涙腺が緩む。
「ヒクッ…さ、斎藤さん…ヒクッ」
「大丈夫だ。大丈夫」
そう言って斎藤さんは優しく頭を撫でてくれた