新撰組 『時が変わろうとも』

俺は平助君に近づき、顔の前で手を振ってみた

無反応…
ほんとに平助君生きてる?

「平助君生きてるか?」

俺が声をかけるとはっとしたように動き始めた

「ま、ままま誠!!」

「まが多いです」

平助君は顔を真っ赤にして俺の顔を見てくる

するとぽつりぽつりと話だした

「その、あの、えっと」

どうしよ、平助君壊れたかも

「大丈夫?」

「だ、大丈夫だ!」

平助君は大声で言うと手元にあった酒をぐひっと一気に飲んだ

よしっ!と意気込んだ平助君は

「誠!めちゃくちゃ綺麗だ!」

大声で叫んだ

純粋に嬉しい。これでも一応まだ女の部分が俺にはあった。

けど、そんな大声で言わなくても…

平助君が大声で叫んだからみんな何事かとこちらを見ていた

「平助!酒の力を借りなきゃそんな事言えねぇのか?」

「うるせぇ!佐之さんだってそうだろ!」

「俺とおめぇを一緒にすんじゃねぇよ!平助と違って女の扱いにはなれてるからな?」

「何だよ!ただの女の好きじゃねぇか!」

平助君と原田さんがギャーギャー喧嘩を始めたので巻き込まれたくない俺は、近藤さんと土方さんに酌をするという理由で逃げた

あの二人の近くにいたら大変なことになる
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