新撰組 『時が変わろうとも』

斎藤さんが言っていることはあってる。
でも、

「怖いんです…」

「何をそんなに怖がっている?」

「俺が、私が犯した罪を意識しないで生活したら、いつか私は消えるんじゃないかって。私は罪の償いで、この罪を背負って生きていかないといけないんです」

そう、私に出来ることはただ生きて、この罪を忘れずに生きていかなければならない

「忘れたらいけないんです」

「なら忘れるな」

「え?」

「お前が償うと言うなら忘れるな。けど、どうしても助けて欲しかったら言え。俺達を頼れ。俺達はお前一人くらい助ける事ができる」

はらりと、一滴私の頬に伝う

「だから、一生懸命生きろ」

斎藤さんが優しく私の頬の涙を拭う

「あり…がとう…ごさいます」


斎藤さんに少し話せたことで心が少しかるくなった




しばらくして、ふと斎藤さんが話し出す

「本音で話してくれたな」

「?」

「俺じゃなく、私になってたぞ」

「!!??」

しまった!斎藤さんに流されて本音で話してしまった!

がくりと頭を抱えて俯いていると、ふいに斎藤さんが俺の耳元に顔を寄せてきた

そして、

「今日のお前の姿、綺麗だぞ」

そう言ったあと斎藤さんは立ち上がり部屋に戻って行った。

俺はと言うと顔を真っ赤にして固まっていた







部屋に入った斎藤の顔が赤かったことを誠は知らない


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