アナザー・ミー
分からない.....。頭を抱える、今更になって五体満足でいることにも気が付いた。

「パンッ!!って乾いた音がしたんだよな、それと火薬みたいな匂い。ん?火薬みたいな匂い?乾いた音?」

どんどん思考の歯車が噛み合っていく、どんどん思い出していく。

「そうだ!思い出した!俺はあのとき、あの女の人に撃たれたんだ!!あれ?じゃあ、ここは本当にあの世ってやつなのか!?」

「その答えはちょっと違うかな。」

その声がしたとたんに、何処までも黒い世界が一転して白に塗り潰されていく。何が起きているのか全く分からない。

「ちょ、ちょっと待ってくれ!!」

とっさにそう叫ぶと、徐々に黒を侵食していく白がピタリと止まった。
と思った瞬間にまた黒を侵食していく。

「ガキか!!それでちょっとだけ待ちましたってか!?何処ぞのクソガキだぁぁぁぁ!!!」

何も無い空間にツッコミを入れたとたんに、景色が一気に明るくなった。
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