ありがとう さよなら(短編)


「みんな外、見てみろよッ!」


先に窓へとたどり着いた一人の男が叫ぶ
それを皮切りにクラスにいた奴等が次々と窓へと走って行き、そして悲鳴を上げた


そして俺もたどり着き、窓から顔を覗き込む






「………ッ!」


この学校の制服を着た女が一人、地面に倒れていたのが見えた
うつ伏せのその女の顔は全く見えないが、俺にはすぐにその女が誰なのかが分かり息を詰まられる





「…さ………ら…ッ」


瞬間、弾けたように俺の身体を廊下側へと向け走り出した
チラリと見えた横にいた五十嵐の顔が物凄く青ざめていたのが見えたが、そんな事はどうでもいい





沙良…、沙良…---




お前、いったいどうして?

まさか屋上から飛び降りたのか?



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