ありがとう さよなら(短編)
すでに教室の中にいる女子の中でも私を目の敵にしている女の子達は、私に顔を向けながらぼそぼそと内緒話しをしながらケラケラと笑っている
悪口を言うのがそんなに楽しい?
敵意むき出しで私に視線を向けられる事が辛くなって、その女の子達から視線を逸らす
そしてふと後ろの扉を見ると相馬君がちょうど、教室に入ってくるところだった
金に近い茶色の髪が相馬君に凄く合っていて、今日もカッコいいな…
何て思いながら席を立った
「相馬…く………ッ」
大好きな彼のもとへ行こうと一歩足を踏み出したところで、相馬君の後ろから女の子が笑顔で入ってきた
五十嵐さん
私をイジメている中心人物だ
相馬君のところへと行こうとしていた足を止め、相馬君ににこやかに話しかけている五十嵐さんを見る
少し顔を赤らめながら相馬君と話していることから、相馬君のことが好きなのだと言うのは大分前から知っていた
でも五十嵐さんが私をイジメていると知ってから、相馬君は五十嵐さんを避けていたのに…
なのにどうして?
どうして相馬君は五十嵐さんと話しているの?
ジッと相馬君を見ていると、相馬君が私の視線を感じたのか私の方へと顔を向けた