ありがとう さよなら(短編)
「相馬君、冗談…だよね?」
力の入らなくなった足をゆっくりと動かしながら、相馬君と五十嵐さんの傍へと近づきながら口を開く
違うって言ってよ…、ねぇ?
「………」
「だから付き合ってるって言ったでしょ?…それとも証拠が見たい?」
「証拠?」
何も話さずうつむく相馬君の代わりなのか五十嵐さんが私に答える
でも私はあなたから聞きいても信じられない
相馬君の口から聞きたいよ
「相馬君、ほら」
そう言った五十嵐さんは甘えるように身体を揺すり、そして相馬君に顔を向けてから瞳を閉じた
まさか…
ううん、違う
するわけないよね?
「相馬君?」
「………」
もう一度、甘えるように言った五十嵐さんの言葉に私に視線を一度も向けることなく五十嵐さんへと視線を向け
そして---