はじまりのおわり
入学
春、それは出逢いの季節。
私、里野 結香は今年でめでたく華の高校生になった。
中学校に比べたら自由度が増したが、先生と校則に縛られるのは変わらない。
入学した高校は商業高校である為に制服には厳しい。
…まあ、あまり気にしてないんだけどね、私は。
先程めんどくさい入学式を終え、これから自分のクラスに戻るところ。
皆まだ会ってから間もないからか、緊張で話せずにいる。
私もその1人で有ることに変わりはないけど。
私の席は廊下側の後ろの方。
名簿順に並んでいるから仕方ない。
…席に着くと、左隣から声をかけられた。
「結香っ!…校長の話めっちゃ長かったねっ!もー疲れたよー泣」
この子は中学校が同じで、私の親友的存在。
間宮 凛。
長い髪にポンパドールをしていて、私と同じくらいの背の高さ。
女子の私からしたら、とっても可愛い。
「そうだね…まあ、恒例行事みたいなもんだしねー…校長の話はw」
どこの学校もそう。
校長先生は目立ちたがり。
教頭先生は校長先生の倍以上目立ちたがり。
「…まあね?そうなんだけどね??…あー…高校生になったのになんも出逢いがないー…」
凛が机に突っ伏す。
「1日目で諦めるとは何事ッ!?まだ未来は明るいわよッ!!」
ふざけていうと、凛が机から頭を上げて笑った。
ほら、可愛い。
くしゃって笑う凛は本当に可愛い。
そんな凛に癒されていると、担任が入ってきた。
田中先生とか言ってたけど、そこらへんの男子がぷーちゃんって言って、先生の名前はぷーちゃんになった。
可愛いけど、可哀想…。
「えー…っとですね、まぁ、明日から通常授業なんですけどね、えー…っとですね…」
えー…っとですね、が口癖な訳ね。
とりあえず教科書忘れないで持ってこよう。
授業始まって1日目に忘れるのは色々まずいもんね。
「…と、言うわけでですね、明日もちゃんと学校来るようにね、はい。じゃあうん、気をつけて帰ってね」
ぷーちゃんも話長い長い。
校長になれる素質あるよ。
結香が、帰りの支度をし始めたから私もつられて帰りの支度を始めた。
「結香、この後クレープ食べに行かない?」
「いいね、行こっ!」
クレープ食べるの久々で嬉しい。
何にしようかな。
クレープ屋さんに行くと、たくさん種類があって、困った。
「んー…困るね、たくさんあると」
「私はもうね、決まってるよ、キャラメルっ!」
凛はキャラメルか…じゃあ私はミックスベリーにしよう。
2人で注文して、待っている間、凛が突然言い始めた。
「そうそう、イケメンいたのよ、隣のクラスに」
…イケメンの話か。
「名前は確か、藤崎 翔…だったかな、うん、結香が好きそうなタイプだった」
わ、私が好きそうなタイプ??
「でもね、その人は保健室に出現することが多いらしくて殆ど見ることができないんだって」
サボりとかそういう感じかな。
まあ、私には関係ない人だし、別に気にしない気にしない。
そんな話をしていると、クレープが出来てお店の人に渡される。
ここのお店の人、たくさんいるのね…アルバイトかな。
…あ、いい匂い。
一口頬張ると、口の中で甘さが広がった。
クレープってやっぱ、おいしい。
今思えば、この時から物語が始まっていたのかもしれない。
そう私が自覚するのは、もう少し先の話…。
私、里野 結香は今年でめでたく華の高校生になった。
中学校に比べたら自由度が増したが、先生と校則に縛られるのは変わらない。
入学した高校は商業高校である為に制服には厳しい。
…まあ、あまり気にしてないんだけどね、私は。
先程めんどくさい入学式を終え、これから自分のクラスに戻るところ。
皆まだ会ってから間もないからか、緊張で話せずにいる。
私もその1人で有ることに変わりはないけど。
私の席は廊下側の後ろの方。
名簿順に並んでいるから仕方ない。
…席に着くと、左隣から声をかけられた。
「結香っ!…校長の話めっちゃ長かったねっ!もー疲れたよー泣」
この子は中学校が同じで、私の親友的存在。
間宮 凛。
長い髪にポンパドールをしていて、私と同じくらいの背の高さ。
女子の私からしたら、とっても可愛い。
「そうだね…まあ、恒例行事みたいなもんだしねー…校長の話はw」
どこの学校もそう。
校長先生は目立ちたがり。
教頭先生は校長先生の倍以上目立ちたがり。
「…まあね?そうなんだけどね??…あー…高校生になったのになんも出逢いがないー…」
凛が机に突っ伏す。
「1日目で諦めるとは何事ッ!?まだ未来は明るいわよッ!!」
ふざけていうと、凛が机から頭を上げて笑った。
ほら、可愛い。
くしゃって笑う凛は本当に可愛い。
そんな凛に癒されていると、担任が入ってきた。
田中先生とか言ってたけど、そこらへんの男子がぷーちゃんって言って、先生の名前はぷーちゃんになった。
可愛いけど、可哀想…。
「えー…っとですね、まぁ、明日から通常授業なんですけどね、えー…っとですね…」
えー…っとですね、が口癖な訳ね。
とりあえず教科書忘れないで持ってこよう。
授業始まって1日目に忘れるのは色々まずいもんね。
「…と、言うわけでですね、明日もちゃんと学校来るようにね、はい。じゃあうん、気をつけて帰ってね」
ぷーちゃんも話長い長い。
校長になれる素質あるよ。
結香が、帰りの支度をし始めたから私もつられて帰りの支度を始めた。
「結香、この後クレープ食べに行かない?」
「いいね、行こっ!」
クレープ食べるの久々で嬉しい。
何にしようかな。
クレープ屋さんに行くと、たくさん種類があって、困った。
「んー…困るね、たくさんあると」
「私はもうね、決まってるよ、キャラメルっ!」
凛はキャラメルか…じゃあ私はミックスベリーにしよう。
2人で注文して、待っている間、凛が突然言い始めた。
「そうそう、イケメンいたのよ、隣のクラスに」
…イケメンの話か。
「名前は確か、藤崎 翔…だったかな、うん、結香が好きそうなタイプだった」
わ、私が好きそうなタイプ??
「でもね、その人は保健室に出現することが多いらしくて殆ど見ることができないんだって」
サボりとかそういう感じかな。
まあ、私には関係ない人だし、別に気にしない気にしない。
そんな話をしていると、クレープが出来てお店の人に渡される。
ここのお店の人、たくさんいるのね…アルバイトかな。
…あ、いい匂い。
一口頬張ると、口の中で甘さが広がった。
クレープってやっぱ、おいしい。
今思えば、この時から物語が始まっていたのかもしれない。
そう私が自覚するのは、もう少し先の話…。