俺様王子様
その日は杏菜ちゃんの家に泊まって、直接学校に登校した。

クラスは相変わらず未月のドイツ行きの話で持ちきりだった。
正直、そんな話を聞くのは辛い。
精一杯耐えた。

「じゃあ次、桜村さん読んでください」

先生に指されてあたしは立ち上がろうとしたら、また目の前が歪んだ。

「大丈夫⁉︎」

隣の席の三咲くんが倒れかけたあたしを支えてくれた。

「大丈夫…」

体を起こそうとしたらまためまいがした。

「先生!保健室に連れて行きます」

三咲くんがあたしを抱きかかえた。
女子はきゃーっと騒いだ。
あたしはそのまま三咲くんに抱えられて教室を出た。
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