俺様王子様
校外学習
まだ入学して一週間だというのに、もう校外学習がある。
南の島に行くなんて、やっぱりセレブが集う学園の感覚は普通じゃない。
学園の女の子たちは学園長の孫で、王子様キャラの未月に騙されて、毎日毎日キャーキャー言って未月の周りを囲んでいた。
あたしはというと、昔から学園にいる子たちばかりで溶け込みづらいのと、未月と同部屋だという理由で女の子たちに距離を置かれてしまって友達が出来ずにいた。
それでも、やっぱり学園の制服はかわいいし、ごはんは豪華でおいしいし、それなりの楽しみはあった。
だけどやっぱり、友達が欲しい。
そんな願いも虚しく、結局仲良しな子も出来ないまま校外学習を迎えた。
「朱莉はこっち」
空港に着いて搭乗時間が近くなると、あたしは未月に手を引かれた。
「ちょっと何よ!」
「いいから、こちらへ」
表向きの顔を作って未月は言った。
「桜村さんいいなぁー」
「あの2人付き合ってるのかしら?」
女の子たちがヒソヒソ話すのが聞こえた。
正直悪い気はしなかった。
南の島に行くなんて、やっぱりセレブが集う学園の感覚は普通じゃない。
学園の女の子たちは学園長の孫で、王子様キャラの未月に騙されて、毎日毎日キャーキャー言って未月の周りを囲んでいた。
あたしはというと、昔から学園にいる子たちばかりで溶け込みづらいのと、未月と同部屋だという理由で女の子たちに距離を置かれてしまって友達が出来ずにいた。
それでも、やっぱり学園の制服はかわいいし、ごはんは豪華でおいしいし、それなりの楽しみはあった。
だけどやっぱり、友達が欲しい。
そんな願いも虚しく、結局仲良しな子も出来ないまま校外学習を迎えた。
「朱莉はこっち」
空港に着いて搭乗時間が近くなると、あたしは未月に手を引かれた。
「ちょっと何よ!」
「いいから、こちらへ」
表向きの顔を作って未月は言った。
「桜村さんいいなぁー」
「あの2人付き合ってるのかしら?」
女の子たちがヒソヒソ話すのが聞こえた。
正直悪い気はしなかった。