俺様王子様
三咲くんの部屋はきれいに整頓されていた。
壁にはバスケットチームのユニホームが掛けてあったり、小さいバスケットのゴールが下がっていたり。

「あたし、男の子の部屋入るの初めてなんだ」

どうしたらいいのかわからなくて、あたしはそう言った。

「え?マジ?町屋の部屋は?」

「ない…」

未月があたしの部屋に入ることはあったけど、未月の部屋に入ったことはなかった。

「今はいいじゃん、町屋の話は」

あたしの様子を察したのか三咲くんはそう言った。

「ごめ…」
「一応俺も男の子なんだから他の男の話されたら傷つくなー」

謝ろうとするあたしの言葉を遮るように三咲くんはおどけた。
なんでだかわからないけど、あたしは目頭が熱くなるのを感じた。
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