俺様王子様
「着替えるから、そこら辺にテキトーに座ってて」

あたしは言われるがままにベッドに腰を下ろした。
一応カレカノだったはずだし、同じ部屋にいたのに未月の部屋に入ったことすらなかったなんて、本当に好き同士だったんだろうかと言う気持ちと初めて男の子の部屋に入ったというドキドキが混ざり合って変な感じがした。

「桜村さんも制服シワになっちゃうからこれ着たら?」

三咲くんはそう言ってジャージとパーカーを持ってきてくれた。

「あはは!制服のシワ気にするなんて意外!」

「うるさいなっ!家の母さんがよく言ってたからうつったんだよ!」

あたしは三咲くんの優しさに甘えて服を借りることにした。

「三咲くーん。さすがにぶかぶかかも」

着替えて三咲くんの前に現れた途端、三咲くんは吹き出した。

「ちょっと!ひどっ‼︎」

「いやーなんか可愛いなーって」

「絶対思ってないでしょ!」

あたしもおかしくて思わず笑った。
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