俺様王子様
バスケ部の三咲くんは当たり前だけど大きい。
対するあたしは女子の中でも真ん中くらい。
三咲くんの服がぶかぶかで当たり前だった。

「もーいいや、下は脱ぐ」

あたしはジャージを脱いだ。

「桜村さんさ、俺、一応男の子なんだけど」

「?分かってるよ?」

「いや、そういうんじゃなくて…。なんか町屋が好きになったのもわかるかも」

とブツブツ言っていた。

「…未月は、あたしのことなんて好きじゃないよ」

あたしはそう言った。

さっきのことを思い出す。

いちいち口にしなきゃいけないわけ?

そう言われたのがショックだった。
ちゃんと言って欲しいって思うのはワガママなのだろうか。

「ちゃんと話したの?」

三咲くんは静かに言った。

「…言ったけど、ダメだったみたい」

あたしは頑張って笑った。
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