俺様王子様
「寝不足だって。…全然大丈夫じゃないじゃん!この間より痩せたんじゃない?」

「最近、夜食べてなくて」

「あいつなんかやめれば?」

「へ?」

「……俺なら、桜村さんにそんな思いさせないよ」

「どういう意味?」

「言ったじゃん、いつも桜村さんのこと見てるって」

優しく笑う三咲くんになぜだかあたしの胸のドキドキが速くなった。

「好きなんだ。…まだ返事はいらない。ただ、俺の気持ちは知っててほしい」

いつもはおちゃらけてばかりの三咲くんだけど、バスケしてるときみたいに真剣な顔で言った。
冗談なんかじゃなくて、本気でそう思ってくれてるんだと分かった。
今の自分の気持ちが上手く言葉にできなくて、あたしはただただ頷くことしかできなかった。
< 134 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop