俺様王子様
「やっぱだめだよね」

「だめじゃない‼︎…です」

思わず大きな声が出て、あたし自身もびっくりした。

「やったー♪♪♪まじ部活頑張れそう!」

そう言って三咲くんはスキップし出した。
なんかそんな三咲くんがおかしくて、ドキドキしながらあたしは笑った。


「朱莉ちゃん、何調べてますの?」

携帯と睨めっこしているあたしを見て杏菜ちゃんは言った。

「んー、手作りで御守りみたいなの作りたいなーって思って」

「三咲様に…ですか?」

「うん。大会近いんだって」

「…朱莉ちゃん、町屋様のことは…」

「正直、まだ考えたら悲しくなるときはあるけど。でも、いつまでもくよくよしてらんないから!」

あたしの顔を見て、杏菜ちゃんは納得したようだった。

「図書館に手芸の本たくさんありますわよ!わたくしも漣に何か作ってみようかしら?」

と言ってくれた。
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