俺様王子様
ディナーの時間になっていつも通り三咲くんが迎えにきてくれた。
あたしはポケットに御守りを忍ばせていたけど、緊張して渡すことができなかった。
食事をしてても、御守りが気になってあんまり話しに集中できなかった。

「あの…さ」


あたしの部屋の前まで来て、三咲くんが口を開いた。

「陽介、とか呼んでくれたら嬉しいんだけど…」

顔を真っ赤にしながら三咲くんは言った。
きっと、三咲くんもずっとそう思いながらいてくれたのかな?
そうやって言うの、すごく緊張しただろうな。

「陽介くん、でもいい?」

あたしが瞳を覗き込んで聞くと

「うん!」

と眩しい笑顔が返ってきた。

「あと、これ!」

あたしはポケットから御守りを出すと、陽介くんの前に出した。
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