俺様王子様
「これ、くれるの?」

「大会近いって言ってたし…。あ、でも手作りとかキモかったら捨てていいから!」

「…捨てるわけないじゃん!」

陽介くんは御守りを受け取ると、

「すっげー嬉しい‼︎」

と言ってくれた。

「本当は朝にでも渡したかったんだけど、なんか緊張しちゃって渡せなかった」

「俺も、呼び方のことずっと言おうと思ってたんだけど言えなかった」

それを聞いて、お互い目を合わせるとなんかおかしくて2人で笑った。

「じゃ、未月また明日!」

元気な声が響くと、さっきまで流れていた穏やかな空気が張り詰めるような気がした。

「じゃ、俺も行くわ!これありがとね!
大事にする」

「うん!…また明日」

そんなあたしたちのことなど無関心に、未月は部屋の扉を閉めた。
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