俺様王子様
着いたのは、お城のような豪邸だった。
あたしは西野さんに言われるがまま屋敷の中に入った。
扉が開くとそこには神藤さんと未月、そして未月の家族がいた。
「君が桜村朱莉さんだね?未月がお世話になっているね。私は未月の父です」
ダンディーという言葉がぴったりな男性は未月のお父様だった。
「いえ、こちらこそ未月さんには良くしてもらっています…」
あたしはお父様が差し出した手を握ってそう応えた。
「今日は未月と朱音の婚約を兼ねたお祝いを家族でしていたんだがね。君は未月と同室で仲良くしてるというのを聞いたから西野に頼んで連れてきてもらったんだ」
「そう…なんですか」
(朱音…家族…か)
あたしはそう思いながら一生懸命作り笑いをした。
「突然で申し訳ないけど、友達として未月たちを是非お祝いしてほしくてね。私は学校で未月がどんなふうに過ごしているか全く知らないもんでね」
にこにこ笑うお父様に悪意がないのはわかるけど、友達としてというフレーズが頭をぐるぐる駆け巡る。
あたしは西野さんに言われるがまま屋敷の中に入った。
扉が開くとそこには神藤さんと未月、そして未月の家族がいた。
「君が桜村朱莉さんだね?未月がお世話になっているね。私は未月の父です」
ダンディーという言葉がぴったりな男性は未月のお父様だった。
「いえ、こちらこそ未月さんには良くしてもらっています…」
あたしはお父様が差し出した手を握ってそう応えた。
「今日は未月と朱音の婚約を兼ねたお祝いを家族でしていたんだがね。君は未月と同室で仲良くしてるというのを聞いたから西野に頼んで連れてきてもらったんだ」
「そう…なんですか」
(朱音…家族…か)
あたしはそう思いながら一生懸命作り笑いをした。
「突然で申し訳ないけど、友達として未月たちを是非お祝いしてほしくてね。私は学校で未月がどんなふうに過ごしているか全く知らないもんでね」
にこにこ笑うお父様に悪意がないのはわかるけど、友達としてというフレーズが頭をぐるぐる駆け巡る。